ロードマップのご説明(2023.12.23)
執筆:永瀬(県大)
日時:更新 2024.01.08, 初稿 2023.12.23
プロジェクトのロードマップは、文献[1]に掲載された「コウノトリの野生復帰」のロードマップをベースに作りました。辰鼓楼・機械時計の科学分析プロジェクトはまずは5年を計画しております。科学分析調査だけではなく、機械時計の価値を「みんなで」理解していくための取り組みを含めた内容であり、縦軸は「取り組みの広がり、機械時計の解明」となっております。
プロジェクトの特徴は、機械時計を出石からひょうごメタルベルトに位置する姫路と明石に移動する、分析結果をWEB・情報発信によって公開するフルオープンアクセス分析を行う、機械時計の価値を周知するアウトリーチ活動を積極的に行う、になります。機械時計の素性解明の具体的ステップとして、積極的な学術報告・論文発表を積み重ねに加え、機械遺産などへの登録を目指します。このプロジェクトの推進により、出石の機械時計の素性解明やその価値を学ぶだけではなく、兵庫県が世界に先駆けて開発するWEB・情報発信を活用したサイバー空間・現実空間の両方のネットワークを駆使する新たな分析法・「出石モデル」が構築されると考えております。
2023年は、このプロジェクトがスタートした年になります。2023.05.23に豊岡市出石振興局から兵庫県立大学に依頼のありました機械時計の科学分析が可能かどうかを検証するために、2023.08.17に現地調査を行いました。現地調査の結果、機械時計の初号機・二号機ともに兵庫県立大学・姫路工学キャンパスへの搬入が可能であると判断されましたので、2023.09.15に初号機・二号機を出石から姫路に輸送いたしました。兵庫県立大学・姫路工学キャンパスにおける予備調査を行うと同時に兵庫県内の各地域・各機関の専門家にご相談さしあげ、姫路に搬入された機械時計の実機を実際に観察していただくともに調査方針を検討しながら、多くの専門家に調査委員会のメンバーに加わっていただきました。
2024年は、本格的な調査の開始をスタートするためのキックオフミーティングを予定しております。二号機は、兵庫県立大学・姫路工学キャンパスから、装置設計が行われたことが明らかとなっている明石に移動を予定しております。さらに、プロジェクトの中核となるWEBサイトを立ち上げていくと同時に、科学分析に加え、これまで発見されていなかった資料を、出石・豊岡だけではなく、姫路・明石・神戸などひょうごメタルベルト地域で収集するための方法の検討を開始する予定です。
参考文献
[1] 中貝宗治, なぜ豊岡は世界に注目されるのか (集英社新書) 新書, ISBN 978-4087212709, https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-721270-9