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2023.12.31

ひょうごメタルベルト・金属新素材研究センターとは?

執筆:永瀬(県大)
日時:更新 2024.07.08, 初稿 2023.12.31
 

兵庫県の瀬戸内海沿岸には、「ひょうごメタルベルト」と言われる全国有数の金属素材製造・加工企業が集積地帯が形成されています。これらの産業の高付加価値化を図るため、金属新素材の研究・開発を行う拠点として兵庫県立大学・姫路工学キャンパスに「金属新素材研究センター」が設置されています。
 

金属新素材研究センターは、金属用3Dプリンタ(金属3DP)の導入・活用に前向きな中小企業を支援するため、先進技術を持つ企業とも連携し、産学連携による技術支援などが実施されていることが特徴としています。これまで培われた3DP技術を用いることで、機械時計の部品のレプリカなどの作製も可能となると考えられます。3DPによる機械時計のレプリカの作製は、非破壊による複雑形状の一品物を作製することであり、まさに3DP技術が最も得意とするところでもあります。機械時計は、多くの歯車を有する複雑な機構です。機械時計初号機・二号機の歯車の組み合わせを検証するにあたって実際の部品を利用した場合、部品の破損の心配があります。しかし、レプリカを利用することで、部品の破損を回避することができます。さらに、機械時計の実機は、出石から姫路に運び込まれております。分析のために姫路に機械時計を搬入いたしましたが、特徴的な部品などのレプリカは、出石に届ける必要があると考えております。3DP技術が蓄積されてきた金属新素材研究センターの知見は、レプリカ作製に極めて重要であると考えております。
 

さらに、金属新素材研究センターに設置されている最新の電子顕微鏡を利用した遠隔電子顕微鏡法(Network tele-microscopy)を駆使することで、兵庫県の各地域をつないだ機械時計の金属組織観察・分析が可能となります。
 


金属新素材研究センターの外観


電界放射型電子銃搭載の電子線マイクロアナライザー(FE-EPMA)(JEOL, JXA-8530FPlus)
 

ひょうごメタルベルト
https://uh-sangaku.jp/metalbelt-consortium/
金属新素材研究センター
https://uh-sangaku.jp/new-metal-material/

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